此処はTW4『サイキックハーツ』で活動中の『刃霧天音(d03841)』の日常・裏設定・その他SS等を徒然なるままに書き連ねていくブログです。PBWを知らない方・苦手な方・世界観を壊すかもしれないネタが許せない方は回れ右を推奨します
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天音の過去SSです
この文量で大体2~3時間というところでしょうか(何)
もっと過去のSSは、現在鋭意製作中です(笑)
2012.11.12現在書き直し中
この文量で大体2~3時間というところでしょうか(何)
もっと過去のSSは、現在鋭意製作中です(笑)
2012.11.12現在書き直し中
いつもと変わらない、刃霧家のダイニングルームにて―――
その日、天音は悩みに悩みぬいた末にとうとう重い口を開いた。
「なぁ、お母さん……話があんねん」
「どないしたん?そんな思いつめた顔して」
料理中であった母親が、その手を止めて振り返る。
「うん……ウチな、高校『武蔵坂学園』にしようと思てんねん」
母親の顔を見れず、テーブルに視線を落としたままぼそぼそと話を切り出す天音。
「其処やったら、学校施設も充実してるし……今よりもっと勉強できるねん」
「それにな?遠方からの入学者用に寮もあるらしいねん」
「ウチも、色んな人と触れ合えるし、将来的に見ても悪くないと思うねん」
饒舌、というよりは母親に口を挟ませない勢いで学園のメリットを話す。
100%嘘ではないが、100%真実でもないそれを。
「せやから……」
この家を出て一人で東京に行ってもええ?
そう続けるはずだった口が止まる。
本当の事を言えないという事実に、泣きそうになるのを懸命に堪えていた。
「……もう、決めたんやろ?」
不意に、それまで黙って聞いていた母親が口を開く。
「え……」
思わず、顔を上げてまじまじと自分と似た日本人離れした顔を見つめる。
「もう、決めてんねやろ?その学校に進学するて」
微笑みすら浮かべた母親が、ゆっくりと天音に近づいてくる。
「お母さん……」
「止めたかて、行くんやろ?せやったら、もう止めん。存分に、あんたの思うようにしたらええ」
くしゃり、母親の手が天音の髪を撫でる。
「その代わり、後悔せんようしっかりやってき。途中で投げ出したら、絶対に許さんからな」
「うん……うん……」
天音の頬を、堪えきれずに熱いものが流れる。
言葉を詰まらせ、ただ頷くしか出来ない天音を、母親はゆっくりと抱きしめる。
「何を泣いてんの。泣くんは、試験に落ちた時だけにしとき。何も、永遠の別れとちゃうやろ?」
何度も何度も、その背中を撫でて励ます。
『頑張ってらっしゃい。応援してるから』
異国の言葉で応援してくれる母親に、無言で頷く天音。
「行ってくる。絶対に、途中で投げ出せへんから。永遠の別れとも、ちゃうから。必ず、帰って来るから」
だから、有難う。それと、御免なさい……。
言えない言葉を、胸の内で呟く。
限りない感謝と、真実を告げない事への謝罪を。
その日、2人は暫く抱きしめあった後、2人で夕食の準備を続けたという。
天音、武蔵坂学園に進学する4ヶ月前の出来事であった―――
その日、天音は悩みに悩みぬいた末にとうとう重い口を開いた。
「なぁ、お母さん……話があんねん」
「どないしたん?そんな思いつめた顔して」
料理中であった母親が、その手を止めて振り返る。
「うん……ウチな、高校『武蔵坂学園』にしようと思てんねん」
母親の顔を見れず、テーブルに視線を落としたままぼそぼそと話を切り出す天音。
「其処やったら、学校施設も充実してるし……今よりもっと勉強できるねん」
「それにな?遠方からの入学者用に寮もあるらしいねん」
「ウチも、色んな人と触れ合えるし、将来的に見ても悪くないと思うねん」
饒舌、というよりは母親に口を挟ませない勢いで学園のメリットを話す。
100%嘘ではないが、100%真実でもないそれを。
「せやから……」
この家を出て一人で東京に行ってもええ?
そう続けるはずだった口が止まる。
本当の事を言えないという事実に、泣きそうになるのを懸命に堪えていた。
「……もう、決めたんやろ?」
不意に、それまで黙って聞いていた母親が口を開く。
「え……」
思わず、顔を上げてまじまじと自分と似た日本人離れした顔を見つめる。
「もう、決めてんねやろ?その学校に進学するて」
微笑みすら浮かべた母親が、ゆっくりと天音に近づいてくる。
「お母さん……」
「止めたかて、行くんやろ?せやったら、もう止めん。存分に、あんたの思うようにしたらええ」
くしゃり、母親の手が天音の髪を撫でる。
「その代わり、後悔せんようしっかりやってき。途中で投げ出したら、絶対に許さんからな」
「うん……うん……」
天音の頬を、堪えきれずに熱いものが流れる。
言葉を詰まらせ、ただ頷くしか出来ない天音を、母親はゆっくりと抱きしめる。
「何を泣いてんの。泣くんは、試験に落ちた時だけにしとき。何も、永遠の別れとちゃうやろ?」
何度も何度も、その背中を撫でて励ます。
『頑張ってらっしゃい。応援してるから』
異国の言葉で応援してくれる母親に、無言で頷く天音。
「行ってくる。絶対に、途中で投げ出せへんから。永遠の別れとも、ちゃうから。必ず、帰って来るから」
だから、有難う。それと、御免なさい……。
言えない言葉を、胸の内で呟く。
限りない感謝と、真実を告げない事への謝罪を。
その日、2人は暫く抱きしめあった後、2人で夕食の準備を続けたという。
天音、武蔵坂学園に進学する4ヶ月前の出来事であった―――
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